2016.06.23
アストンマーティン、限定生産モデルのVanquish Zagatoを公開
アストンマーティンは、限定生産モデルのVanquish Zagato Coupeを発表しました。このモデルは、高名なイタリアのデザインハウス、ザガートとの長年のパートナーシップから生み出された最新のモデルです。
Vanquish Zagato Conceptは、2016年5月にイタリアのコモ湖畔で開催された有名なヒストリックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」で発表され、大きな称賛を受けました。今回、お客様からのかつてない強い要望を受け、英国ゲイドンのアストンマーティン・ファクトリーにおいて、99台限定で生産されることになりました。
Vanquish Zagatoは、50年にも及ぶアストンマーティンとザガートのコラボレーションによって誕生した5台目のモデルであり、高い評価を受けているアストンマーティンのダイナミズム、素材クオリティへのこだわりと、ザガート特有のデザイン・ランゲージを巧みに融合させています。Vanquish Zagatoは、目を見張るようなスポーツ性に加え、アストンマーティンの手になるビスポーク・ラグジュアリーの究極の形を示すものです。
ザガートとのコラボレーションの歴史は、1960年に発表され、美しいシルエットが特徴のDB4 GT Zagatoレーシングカーにまで遡ることができます。このクルマは現在1,000万ポンド以上の価値があるとされています。その後、1986年にはV8 Vantage Zagato、2002年にはDB7 Vantage Zagato、2011年にはV12 Vantage Zagatoが発表されました。
Vanquish Zagatoは、アストンマーティンのGTカー・ラインナップに追加されたパワフルなモデルです。このクルマは、アストンマーティンが本質的に備えている高い洗練性および能力と、モータースポーツの世界から生まれ、何年にもわたってエレガントなラグジュアリー・スポーツカーを磨き上げてきたザガートならではのデザイン・エレメントを見事に融合しています。アストンマーティンの6.0リッターV12パワートレインは、最高出力が600PSに引き上げられ、0~60mph(約97km/h)をわずか3.5秒で加速します。パフォーマンス向上に伴って、サスペンションのセットアップも見直され、Vanquish ZagatoならではのユニークなGTドライビング・エクスペリエンスを提供します。
生産モデルのVanquish Zagatoのデザインは、ヴィラ・デステで展示されたコンセプトモデルと非常に良く似ています。そのプロポーションは、典型的なアストンマーティンそのものです。新しいボディワークは、すべてがカーボンファイバーで製作され、大きな1ピースパネルを使うことによって、ボディパネルの継ぎ目に現れるスプリット・ラインを大幅に削減しています。
その他のデザインの特徴としては、伝統的なZagatoリヤビューを彷彿とさせる円形のテールライト・リフレクター、Aston Martin Vulcan同様のLED“ブレード”テクノロジー、One-77用に開発されたものと密接な関係があるウイング・ミラーなどが挙げられます。Vanquish Zagatoの彫刻的なリアエンドは、DB11のエアロダイナミックな造形を思い起こさせます。さらに、リトラクタブル・スポイラーやラゲッジ・コンパートメントへのアクセスを容易にするリアハッチなども装備されています。ロワボディを取り囲むように装着されるカーボンファイバー・シルは、フロントからリアにかけて特徴的なラインを描き出し、美しい曲線で構成されたリアエンドには4本のエキゾースト・パイプが装着されています。
Vanquish Zagatoのウインドウ・エリアは、バイザーのようにボディワークを包み込み、アグレッシブなスタンスを強調しています。アストンマーティン・デザインの象徴であるサイドストレーキは、DB11と同様にホイールアーチからドアまで伸びています。このディテールは、創業100周年記念モデルであるCC-100に初採用されたもので、Vanquish Zagato Conceptと共にいっそうの進化を遂げています。また、リアホイール・アーチのシャープなクリースがリア・フランクへと溶け込み、流麗なルーフラインと融合しています。
ルーフには、アイコン的な“ダブル・バブル”が施され、なだらかなルーフラインの曲線がそのままリア・ウインドウへと繋がり、特徴的なリア・シルエットを創出しています。“ダブル・バブル”は、1950年代初頭からザガート・デザインのシンボルとみなされていますが、本来は空力への影響を最小限に抑えつつ、ヘルメットを着用したレーシングドライバーのヘッドクリアランスを確保するために採用されたデザインでした。
室内に目を向けると、アストンマーティン一流のクラフツマンシップの伝統が余すところなく表現されています。ダッシュボードには、ヘリンボーン・カーボンファイバーとアルマイト処理された暗色ブロンズの組み合わせが採用され、オプションでアニリン・レザーが設定されています。また、ベントやロータリー・スイッチには豪華な素材クオリティが明確に現れています。Vanquish Zagatoのシートやドアセクションには、ユニークな“Z”パターン・キルトがあしらわれ、Zagatoのイニシャルである“Z”が、ヘッドレストにはエンボス加工で、センターコンソールにはステッチで、それぞれ施されています。
Vanquish Zagatoは、両ブランドの歴史に新たなページを書き加えると同時に、アストンマーティン・ブランドを代表するアイコン・モデルにふさわしい、真にエクスクルーシブなスポーティングGTに仕上がっています。お客様への納車は、2017年第1四半期から開始される予定です。