2013.05.23
アストンマーティン、100周年記念コンセプトカー「CC100」を発表
アストンマーティンは5月19日、世界規模で実施されている創立100周年記念事業の一環として、CC100スピードスター・コンセプトを発表しました。 CC100は、卓越したスポーツカーで知られる英国ブランドが、100周年を記念して製作したワンオフ・モデルです。そのデザインには、サーキットで偉業を達成したDBR1を頂点とする過去の歴史が反映されると同時に、アストンマーティンが未来に採用するデザインの方向性も垣間見ることができます。 6.0リッターV12エンジンを搭載したこのコンセプトカーは、有名な「ADACチューリッヒ24時間レース」において世界初公開され、ニュルブルクリンクの北コースを走行します。このパレードランには、1959年のニュルブルクリンク1000kmレースで優勝したDBR1も参加し、英国レース界における伝説となっているスターリング・モス卿がハンドルを握ります。CC100の発表は、2013年の幕開けから開催されている100周年記念行事のなかで、もっとも印象深いイベントとなるでしょう。 ドイツに集結した何万人もの幸運な観衆が見つめる中、この究極のスピードスターを走らせるアストンマーティン最高経営責任者(CEO)のDr. ウルリッヒ・ベッツは、次のように述べています。「CC100は、アストンマーティンのすばらしさを凝縮したクルマです。モータースポーツにおける輝かしい歴史、傑出したデザイン能力、優秀な技術面のノウハウ、そして何より冒険心を表現しました。私は、このクルマに『DBR100』というニックネームを付けました。なぜなら、CC100は、レースに君臨した偉大な1959年型DBR1からインスピレーションを受け、そして、もちろん私たちの100周年を記念するクルマでもあるからです。このクルマは、私たち自身のために用意した、単なる『誕生祝い』ではありません。他のメーカーと私たちを差別化するアストンマーティンの魂は、CC100の中で力強く息づいており、本日ニュルブルクリンクにお集まりの皆様も、それを楽しんで頂けることを希望します。」 CC100は、ゲイドンのアストンマーティン本社において、スペシャルプロジェクト&モータースポーツ担当ディレクターであるデービッド・キングによる指揮の下、主要なサプライヤーのマルチマチック社と連携を取りながら6ヶ月未満という短期間で製造されました。その2シーターのデザインは、デザイン・ディレクターのマレク・ライヒマンとチーフ・エクステリア・デザイナーのマイルス・ニュルンベルガーの共同作業によるものです。 マイルスは次のように説明しています。「受け取った指示は、アストンマーティンの100年にわたる歴史を反映しながらも、ブランドの未来を示すという、シンプルでありながらもきわめて難しいものでした。まもなく、1959年にルマンとニュルブルクリンクを制したレーシングカーを思い起こさせるスピードスター・コンセプトというアイデアが生まれ、その後はこのクルマを自由な発想でデザインすることができました。」 マレク・ライヒマンは、次のように語っています。「これだけの短期間に、このすばらしいスポーツカー・コンセプトを現実のものとしてくれたゲイドンのチーム全員を大変誇りに思っています。ブランドの100周年記念にふさわしいクルマを生み出さなければならないというプレッシャーが、ラグジュアリー・スポーツカー・メーカーの中でアストンマーティンを傑出した存在としている創造性と才能を最大限に引き出したのです。」
全長約4.5メートル、全幅はミラーを含めると2メートルを超えるスピードスター・コンセプトのボディは、アストンマーティンのトレードマークであるVH(バーティカルホリゾンタル)構造が備える、ほとんど無限に近い柔軟性を見事に示しています。ボディとインテリアはカーボンファイバー製で、少量生産のスペシャリストであるマルチマチック社が製造と供給を担当。その心臓部には、自然吸気V12ガソリンエンジンAM11の最新世代が搭載され、油圧によって作動する6速オートメーテッド・シーケンシャル・マニュアルトランスミッションが組み合わせられます。ステアリングコラムに装着されたパドルシフトで操作を行うこの軽量なギヤボックスは、サーキットで走ることを念頭に設計されたスピードスターにふさわしい、非常にスポーティなシフトチェンジを実現します。CC100は、このドライブトレインによって0~100km/hを4秒強で加速し、最高速度はリミッターの作動する180 mph(約290km/h)に達します。
Dr. ベッツは次のように付け加えています。「アストンマーティンの未来は、過去のいかなる時点と比べても、はるかにエキサイティングであることは明確です。CC100が世界中のアストンマーティン・オーナーおよび愛好家の方々に興奮を巻き起こし、未来に対する期待感を提供することを楽しみにしています。」