LAND ROVERSPORTS

2016.11.19

アメリカズカップ優勝を目指すランドローバーBAR アメリカズカップ本戦を戦うレーシング・ボートに関する最新情報を発表

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ベン・エインズリー卿が率いるランドローバーBARは、英国チームがアメリカズカップ本戦で使用する最新のレーシング・ボートの開発および準備を進めており、その進捗状況を発表しました。このボートの開発過程では、ランドローバーのエンジニアによる業界初の空力テストが行われ、水中でも水上でもボートがスピードを発揮できることを目的に、パフォーマンスの新たな領域を研究しています。

ランドローバーのエンジニアたちは、新型「DISCOVERY」などの車両開発で得たエアロダイナミクスの知識とコンピュータ技術をいかして、高さ77フィートという巨大なウイングセールの開発に取り組んでいます。チームは高機能のソフトウエアをつくり、1回のテストごとに8,000万もの計算セルを解析し、ウイングセールの動的性能を詳しく調査することで、確実にパフォーマンス向上させることを目指しています。

ジャガー・ランドローバーのリサーチ部門を統括するトニー・ハーパーは次のように述べています。
「このエンジニアリング・プロセスは、ジャガー・ランドローバーで高速走行時に車両がどのように反応するかを評価する際の過程と似ています。私たちの目的は、車両の部品を変形させる空力の影響を最小限に抑え、燃費を向上させることにあります。

私たちは、ポーツマスにある拠点でデザイン・チームと密に連携し、アメリカズカップのレーシング・ボートの開発に取り組んでいます。このボートは『R1』と呼ばれ、来年初めに発表する予定です。エンジニアたちは自らの懸命な働きが、報われているのを実感しています。優勝を左右するのはおそらく、重要な局面でのわずか数秒間です。大幅にパフォーマンスを向上させることこそが、最終的にバミューダで行われる本戦での勝利に貢献できると期待しています。」

ランドローバーのエンジニアたちは、ボートのさらなる高速化を目指し、カーボンファイバーのウイングを解析する高機能ソフトウエアを開発しました。これは、F1世界選手権でレーシングカーのタイムをわずかに縮めることと同じくらい重要な意味を持ちます。FSI(Fluid Structure Interaction、流体構造連成)と呼ばれるこのソフトウエアは、ボートのウイング(カタマランの主な動力源)のパフォーマンスを向上させるための空力テスト・アプローチと、その変形に関する構造解析を組み合わせています。このソフトウエアが開発された理由は、カーボンファイバーのウイングには強風への耐性と最軽量構造が必要となりますが、同様に変形させることで、抵抗ではなく加速とスピードをもたらすことが求められるためです。

このFSIシステムは、ウイングの構造とその周囲のエアフローを解析する、個別のソフトウエアからのデータを処理します。この情報を組み合わせることがカギとなります。

例えば、ウイングを覆う「Clysar」というフィルムは自然の力によって曲がり、ボートの速度に影響します。こうしたプロセスを組み合わせることで、チームはウイングのエアロダイナミクスと構造的な動体力学の相互作用をより深く理解し、新しいエアフローやウイング形状の変更を評価できるようになるのです。

ランドローバーBARのエンジニアリング・マネージャーであるリチャード・ホプカークは、次のように語っています。
「これは、ウイングのパフォーマンスを左右する非常に複雑な作業であり、ランドローバーの協力なしでは成し遂げられなかったと思います。私たちがこの問題に取り組む上で、ランドローバーが有する高度なコンピュータ知識とリソースが大きく貢献してくれています。

来年夏に行われるレースで水上でのパフォーマンスが向上すると期待しています。アメリカズカップに関しては、私たちは世界最高のセーラーを擁していますが、優位に立つためにはボートの設計も同じくらい重要なのです。」

ランドローバーBARは、11月18~20日に行われるアメリカズカップワールドシリーズ最終戦のため、日本の福岡に来日しています。現在、ランドローバーBARは総合ランキングで首位をキープしており、この福岡大会は、アメリカズカップ本戦への出場を確定させるために、極めて重要な戦いとなります。

現在「R1」というコードネームで呼ばれているアメリカズカップ用レーシング・ボートは、2017年5~6月に第35回アメリカズカップの開催地である英国領バミューダで、2017年始めに発表される予定です。

ルイヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ 総合結果(第8戦終了時):
1位 ランドローバーBAR:  437
2位 オラクルチームUSA:  423
3位 エミレーツ・チーム・ニュージーランド:  420
4位 ソフトバンク・チーム・ジャパン:  399
5位 アルテミス・レーシング:  391
6位 グルーパーマ・チーム・フランス:  360

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