2019.05.07
アストンマーティン、Vantage AMRを発表
アストンマーティンVantageは、市販車中もっとも刺激的なドライブ体験を提供するクルマの1台です。今回、このモデルに、マニュアル・トランスミッションを搭載した、さらにエキサイティングな限定モデル、Vantage AMRが誕生しました。
アストンマーティン・レーシングがVantage GTEで参戦するFIA世界耐久選手権スーパーシーズンの第7戦で発表されるVantage AMRは、マニュアル・トランスミッションでなければ実現することができない、ドライバーとクルマの一体感を実現するモデルです。製品ラインアップにマニュアル車を導入することは、アストンマーティンにとって、お客様との約束でもあります。
新型Vantage AMRの心臓部には、アストンマーティンが誇る新しいオールアロイ製4.0リッター・ツインターボV8エンジンが搭載されます。理想的な重心と、ほぼ完璧に近い50:50の前後重量配分を実現するため、シャシーのなるべく後方の低い位置に搭載されたこのエンジンは、510PS/6,000rpmの最高出力と625Nm/2,000-5,000rpmの最大トルクを発生し、0~100km/hをわずか4秒*で加速します。最高速度は、既存のVantageモデルと同じ314km/h*です。そのパフォーマンスは、Vantageモデルの頂点に君臨するものですが、パワーの伝達方法は他のモデルとは大きく異なっています。
Vantage AMRは、イタリアのグラツィアーノ社がモータースポーツからヒントを得て開発した7速マニュアル・トランスミッションを搭載しています。このトランスミッションは、“ドッグレッグ”と呼ばれる独自のシフトパターンを特徴としています。コックピットに座ったドライバーの目には、正確かつ繊細なシフトを実現する、ハンドステッチが施された革張りのギアシフト・レバーが飛び込んできます。1速ギアが左手前に設置されたこの独特なシフトパターンの大きな利点は、走行中に頻繁に使用する2速~7速ギアをダブルHパターンに配置できることです。マニュアル車ならではの運転する悦びやクルマとの一体感を実現するため、Vantage AMRのトランスミッションには、リミテッドスリップ・ディファレンシャルが組み合わされています。このディファレンシャルには、アストンマーティン・チーフ・エンジニアのマット・ベッカー率いるダイナミクス・チームが、拠点としているシルバーストーン・サーキットで徹底的なチューニングが施されました。
Vantage AMRのマニュアル・トランスミッションには、AMSHIFTと呼ばれる機能が採用されています。ドライバーによる選択が可能なこのシステムは、クラッチ、シフト・ポジション、プロペラシャフトの各センサー情報と精妙なエンジン・マネージメント・プログラムを組み合わせることにより、ヒール&トゥによるシフトダウン(ブレーキングとギアシフトを行いながら、同時にブリッピングを行うことにより、よりスムーズに減速して、より速くコーナリングするドライビング・テクニック)を完璧に再現します。さらに、AMSHIFTは、フルスロットル状態でシフトアップする際に、最大限のスムーズさを実現すると同時に、加速の中断を最小限に抑えます。
オートマチック・トランスミッションをマニュアル・トランスミッションに置き換えて、カーボンセラミック・ブレーキを標準装備することによって、ピュアなドライブ体験が得られるだけでなく、95kgの軽量化も実現しています。Vantage AMRは、その優れたハンドリングに加え、ドライバーの好みや路面状況によってクルマのキャラクターを変化させることができる、最先端のアダプティブダンピング・システムも搭載しています。スカイフック・テクノロジーを組み込んだこのシステムには、スポーツ、スポーツ+、トラック(サーキット)の3つのモードが設定され、ドライビングの限界をさらに押し広げます。
200台が限定生産されるVantage AMRは、5種類のデザイナー仕様から選択することが可能です。200台の内の141台には、サビロ・ブルー、オニキス・ブラック、チャイナ・グレー、ホワイト・ストーンのボディカラーが用意されています。残りの59台は、1959年のルマン24時間レースで1-2フィニッシュを達成した伝説のマシン、DBR1の60周年を記念したカラーリングが施されています。“Vantage 59”と名付けられたこの特別仕様は、スターリング・グリーンとライムを組み合わせたエクステリア・カラー、ダークナイト・レザーとアルカンターラを採用したインテリアを特徴とし、AMRの象徴となっているライム・カラーのストライプとステッチで仕上げられています。“Vantage 59”の価格は164,995ポンド(英国)、209,995ユーロ(ドイツ)、209,995ドル(米国)で、全世界で先着順に販売されます。
アストンマーティン・ラゴンダ社長兼グループCEOのDr. アンディ・パーマーは、Vantage AMRについて次のように述べています。「私がアストンマーティンの社長に就任した際に、お客様からマニュアル車に関する質問を受けました。私は、ギアボックス・エンジニアおよびレーサーとしての立場から、マニュアル・トランスミッションを常に弊社の製品ラインナップに導入することを約束しました。Vantage AMRは、その約束を守るモデルというだけでなく、3ペダルのクルマを提供し続けるという点で、ライバルとは一線を画す役割も果たします。自動運転の世界において、アストンマーティンは最先端の科学技術によるパフォーマンス・ドライビングをさらに進化させています。その一方で、Vantage AMRは、ドライバーに焦点を当てた、極めてモダンなスポーツカーです。このクルマは、マニュアル・トランスミッションによる人車一体の走りを、コンピューター・ゲームの世界ではなく、現実の世界で楽しむためのモデルです。6月には、Vantage GTEがルマン24時間レースに再び参戦します。Vantage 59を手に入れた幸運なオーナーの方々は、このレースでニューモデルの栄光の歴史に思いを馳せることになるでしょう。」
新型Vantage AMRの希望小売価格は、149,995ポンド(英国)、184,995ユーロ(ドイツ)、184,995ドル(米国)です。200台が限定販売されるVantage AMRモデルの販売が終了した後も、Vantageには2020年第1四半期からマニュアル・トランスミッションが引き続きオプション設定される予定です。Vantage AMRの納車は、2019年第4四半期から開始される予定です。