2016.11.09
アストンマーティン・レーシング、WEC上海6時間レースで優勝
11月6日、FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦の6時間レースが中国の上海国際サーキットで開催され、98号車のV8 Vantage GTEが優勝し、GTE Amクラスで3連勝を飾りました。
前日の予選でポールポジションを獲得したポール・ダラ・ラナ(カナダ)/ペドロ・ラミー(ポルトガル)/マティアス・ラウダ(オーストリア)組の98号車は、完璧なレース展開でシーズン5勝目を手にしました。
オープニングラップの第1コーナーで発生したアクシデントによる混乱を避けるため、ラミーは2番手に後退しましたが、すぐに首位の座を取り戻して、後続車を引き離しにかかりました。その後はまったく危なげない走りで、一度も首位を譲ることなく、最終的に、2位に1周以上の大差をつけてチェッカーフラッグを受けました。
ラミーは次のようにコメントしています。「第1コーナーのアクシデントは、非常に難しい状況でした。最初のコーナーでベストなポジションにつけようとしていたら、LMP2のマシンが進路を塞ぐように目の前に入ってきました。行き場がなくなり、とっさにハンドルを内側に切って、運よく衝突を回避することができました。オープニングラップの混乱を除けば、最初のスティントは順調で、力強いペースで周回することができました。第1コーナーで僕のマシンをオーバーテイクしたポルシェがドライブスルー・ペナルティを受けたので、すぐに首位の座を取り戻して、ポールにドライバーを交代するときには、大きな差をつけることができました。」
ラウダは次のように追加しています。「今日は完璧な1日でした。最初から最後まで、僕たちはライバルのマシンよりも速いペースで走り続け、価値ある勝利を掴むことができました。今シーズンは5度も優勝することができました。チャンピオンシップでは現在2位ですが、あきらめるつもりはありません。」
ダラ・ラナのコメント。「上海でも素晴らしい勝利を飾ることができました。今日のサーキットは厳しいコンディションで、タイヤの摩耗で正しいリズムを掴むことが困難でしたが、長時間のレースに合った最適なセットアップを見つけることができたと思います。首位とのポイント差は大きいですが、バーレーンでも全力を尽くして戦います。」
ニッキー・ティーム/マルコ・ソーレンセン(共にデンマーク)組のV8 Vantage GTE 95号車は、総合優勝に向けて貴重なポイントを獲得しました。ソーレンセンは、第1コーナーのアクシデントを間一髪で切り抜けると、その後は激しいバトルを展開して4位でフィニッシュしました。その結果、ティーム/ソーレンセンのペアは、GTEドライバー・チャンピオンシップのポイントを追加し、GTE Proクラス首位の座を守ると同時に、GTマニュファクチャラーズ・タイトルの決着を最終戦のバーレーンへと持ち越すことに成功しました。
ティームは次のようにコメントしています。「レースは、プラン通りでした。71号車のフェラーリよりも前でフィニッシュすることが重要でしたが、その通りになりました。GTドライバーズ・チャンピオンシップでは、最終戦に向けて完璧な展開となりました。週末は張りつめた雰囲気が漂い、シリーズの最終戦が迫っていることを感じずにはいられませんでした。現在、チャンピオンシップは非常に激しい争いになっていますが、すぐにでも次のレースを行なって、タイトル獲得のために戦いたいと思っています。次のレースまでわずか2週間なので、今からワクワクしています。」
95号車と98号車がレース直後の混乱をうまく切り抜けたのに対して、ダレン・ターナー(英)/リッチー・スタナウェイ(ニュージーランド)組の97号車は、第1コーナーでのアクシデントに巻き込まれてしまいました。スピンしたLMP2マシンに衝突するという避けがたいアクシデントにより、97号車は大きな損傷を受け、マシンを修理してレースに復帰したときには、レース・ディスタンスの70%が終了していました。
チーム代表のポール・ハワースは、今回のレース結果について次のように述べています。「98号車とドライバーが達成したリザルトは称賛に値します。私たちは、今回のレースでポール・ツゥ・ウインのハットトリックを決め、GTレーシングの最高峰のレースで素晴らしい成果を収めることができました。スタート直後のアクシデントに巻き込まれたリッチーは残念な結果に終わりましたが、それがモータースポーツなので仕方ありません。バーレーンですべてのGTタイトルを獲ることに全力を尽くします。年間を通じてやってきたことの成果を出すために、チーム一丸となって戦うつもりです。」
FIA世界耐久選手権の最終戦は、11月19日(土)にバーレーンで開催されます。