LAND ROVERSPORTS

2017.03.03

ランドローバーBAR、第35回アメリカズカップを戦うレース艇「Rita」を発表 歴史あるスポーツ・トロフィーを英国へ

The LandRover BAR Race yacht "Rita" shown here being christened and launched today at the teams base in Bermuda. Photo by Lloyd Images

ベン・エインズリー卿率いるランドローバーBARは、アメリカズカップの次なる戦いを控え、史上最速かつ最高の技術を結集させたレース艇を発表しました。このレース艇は、「世界最古のスポーツ・トロフィーを英国に持ち帰る」という、ただ1つの目標のために、ジャガー・ランドローバーのエンジニアと共に開発されました。

約50年前、英国はフットボールで世界一となり、テニス界ではフレッド・ペリー以来77年の時を経て英国人選手がウィンブルドンの男子シングルス王者となりました。しかし英国は、166年の歴史を持つアメリカズカップにおいて、未だ優勝に手が届いていません。

英国領バミューダ諸島で発表したレース艇は、ベン・エインズリー卿と彼の妻ジョージィ・エインズリー、娘のベラトリックスによって「Rita」と命名されました。「Rita」は勝利を導く由緒ある名前であり、エインズリー卿はこれまでにもこの名前を好んで使用してきました。

ジャガー・ランドローバーは、最新モデルの開発に用いるエンジニアリング・スキルを、ランドローバーBARと共有しています。エアロダイナミクス、自己学習車両、人工知能(AI)、仮想モデリング技術のすべてが、レース艇の速度向上に寄与しています。ジャガー・ランドローバーは、研究開発、エンジニアリングに対して英国最大規模の投資を行っており、新型モデルの開発製造および改良に数十億ポンドを費やしています。ランドローバーBARとのパートナーシップにより、ジャガー・ランドローバーのエンジニアは自身のレベルを引き上げるだけでなく、新しい方法を異なる環境やプラットフォームで試すことができるようになるのです。

ジャガー・ランドローバーのリサーチ部門を統括する、トニー・ハーパーは、次のように述べています。
「自動車とセーリングという2つの領域でのエンジニアリング・プロセス、幅広いSTEM(科学、技術、工学、数学)プログラムにより、ジャガー・ランドローバーは開発、学習し、そしてランドローバーBARチームに技術協力することができるのです。具体的には、ウイングセールの設計をサポートするため、業界初の空力テストを開発、採用しました。このプロジェクトの成功を受け、車両軽量化の分析・構築に関する知識を集結させ、船体下部にあるサーフボードのような形をしたダガーボードの構造設計もサポートしました。このタガーボードは、レース艇を安定させたり水面に浮き上がらせたり(フォイリング)する役割を担います。」

軽量ダガーボードは、ランドローバーの新型「DISCOVERY」の車体重量にも匹敵する2,400kgもの耐重性が必要となるため、その設計は極めて重要です。

トニー・ハーパーはさらに次のように続けます。
「英国の自動車ブランドとして、この素晴らしいプロジェクトに携わることができるのはとても光栄なことです。そして、この伝説的なレースに参戦するベン・エインズリー卿率いるランドローバーBARをサポートでき、誇りに思います。」

ランドローバーBARのマーティン・ウィットマーシュCEOは、次のように述べています。
「ジャガー・ランドローバーからのレース艇の最終設計に対するインプットは非常に有意義なものでした。我々の関係が深まるにつれ、連携のレベルもより高くなってきています。
アメリカズカップはセーリング技術だけでなく、設計技術を競うレースでもあります。ロープやウィンチに加え、水面から浮かび上がりながら最大96km/h(60mph)もの速さで進む高性能なレース艇を開発しています。こうした複雑な設計には、最先端のエンジニアリング・スキルと深い見識が必要となり、F1世界選手権と同じように、ジャガー・ランドローバーは、この設計技術の戦いに大きな役割を果たしてくれるでしょう。」

ベン・エインズリー卿は次のようにコメントしています。
「我々の新しいレース艇である『Rita』がバミューダ諸島の海に浮かぶ姿を見ることができ、格別な思いがこみ上げてきます。アメリカズカップのトロフィーを英国に持ち帰るために、チーム全員が努力をしてきました。それが実を結んだのです。ここバミューダの海に『Rita』を持ち込むことができ、大きな喜びを感じています。私たちは発足間もないチームではありますが、レース艇のみならず、設計およびエンジニアリングのチーム、設備、さまざまなプロセスの構築などを経て、今日この日を迎えることができました。第35回アメリカズカップの戦いが再開するまでわずか数か月しかありません。これから、このレース艇の最終調整とテストを行い、万全の態勢でレースに臨むために忙しい日々が始まります。」

設計調整や、セーラーがバミューダ諸島の海でトレーニングを積むのに残された時間は、4か月を切っています。

第35回アメリカズカップは、2017年5月26日からルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・クオリファイヤーズが開催し、6月末には勝者が決定します。何十万もの人々がバミューダ諸島でこのイベントを観戦し、TVの視聴者数はそれ以上になると予想されます。ランドローバーBARは、米国、フランス、スウェーデン、ニュージーランド、日本のチームと戦います。

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