ジャガー初となる電気自動車「I-PACE」コンセプトを世界初披露
11月15日、米国ロサンゼルスにて、ジャガーは、初となる電気自動車「I-PACE」のコンセプトカーを世界初披露しました。このモデルは、ジャガーにとって新しい時代の幕開けを意味し、2017年に市販車モデルを発表し、2018年に発売を開始する予定です。また、いちはやく購入されたいお客様向けに、ウェブサイト( http://www.jaguar.co.jp )から登録を受け付け、購入に関する情報を優先的に配信していきます。
ジャガーのエンジニアリング・チームとデザインチームは、既存概念を打ち破り、ドラマチックなデザインとマッチする電気自動車のアーキテクチャーを独自に構築しました。その結果、スマートで、5人が乗車できるスポーツカーであり、かつパフォーマンスSUVであるクルマが完成しました。
ジャガーのデザイン・ディレクター、イアン・カラムは次のように述べています。
「『I-PACE』コンセプトは次世代の電気自動車のデザインを象徴しています。ドラマチックで未来的なキャブフォワード・デザインの美しいインテリア、ジャガーのDNA、電子技術、そして現代のクラフトマンシップが融合しています。」
「本日のバーチャル・リアリティ(VR)による初披露は、テクノロジーの新境地を切り開くとともに、このコンセプトカーのハイテク要素が表現されています。『I-PACE』コンセプトは、この初披露のためにロサンゼルスに1台しかありませんが、VRを活用することで、最も実物に近い方法で、世界中の人々と体験を共有することができました。」
このユニークで世界初の「ソーシャルVR」発表イベントは、この種のVRイベントとしては最大規模を誇り、1日を通して300名以上のお客様が、バーチャル・リアリティを体験しました。「I-PACE」コンセプトのために特別に用意した仮想空間では、開発に携わったイアン・カラムとイアン・ホーバンがホストを務めました。
ロサンゼルスとロンドンのハブ会場には、ミシェル・ロドリゲス、ミランダ・カー、ジェームズ・コーデンといった一流スターを始めとする66人のゲストたちが駆けつけ、Dell Precisionワークステーションで作動するHTC Viveビジネス・エディションというヘッドセットを装着してVRを体験しました。ゲストたちは「I-PACE」コンセプトの仮想シートに「乗車」して、ヴェニス・ビーチを360度見渡したり、車両が少しずつ組み立てられていく様子を見たり、砂漠の中を自分に向かって走り去っていく様子をバーチャル世界で楽しみました。さらに、他の参加者とインタラクティブなコミュニケーションが行われました。
ジャガー・ランドローバーのテクニカル・デザイン・ディレクター、ウルフガング・ツィバート博士は次のようにコメントしました。「『I-PACE』はまったくの白紙から設計し、妥協をせず開発した電気自動車です。私たちは新しいアーキテクチャーを開発し、今日における最良のテクノロジーのみを選び採用しています。空間の有効利用、ドライビング・プレジャー、パフォーマンスという点において電気自動車のポテンシャルを極限まで追求したクルマです。」
最新の電気モーターと90kWhのリチウムイオン・バッテリーパックは、ジャガー・ランドローバーで設計・開発をしており、最大限のフォーマンスと日常の運転で求められる航続距離を提供します。世界中のどこにいても、一晩プラグから充電すれば、平均的な通勤距離である約50km以上を走行することが可能です。
急速充電をする場合には、典型的な50kW 直流充電器を使用しれば90分で80%を充電でき、追加2時間で満充電となります。NEDCサイクル(New European Driving Cycle)での想定航続距離は500km以上、EPA米環境保護庁のモードでは220マイル以上に達します。
「I-PACE」コンセプトは、電気自動車のドライビング・エクスペリエンスをもたらし、ジャガーの名にふさわしいドライバー・フォーカスのパフォーマンスとレスポンスを提供します。前後のアクスルに電気モーターを搭載し、その総パワーは400PS、トルクは「F-TYPE SVR」にも匹敵する700Nmを生み出します。
ジャガー・ランドローバーのビークルライン・ディレクター、イアン・ホーバンは、VRを通じて革新的なテクノロジーを体感するゲストに、次のように語りました。「電気モーターは入力に対するタイムラグやギアシフト、パワーの断続がなく、瞬時に反応します。内燃機関エンジンと比べてトルクの伝達が優れており、ドライビング・エクスペリエンスは大きな変容を遂げるでしょう。700NmのトルクとAWD(全輪駆動)がもたらすトラクションの利点をいかし、『I-PACE』コンセプトは0-60mph加速は約4秒を実現します。」
さらにゲストたちは、VRの中で、ジャガー「I-PACE」コンセプトのフロントおよびリアのシートに座って、インテリアのディテールや特徴を見て、堪能しました。
イアン・カラムはゲストたちに次のように語りかけます。「『I-PACE』コンセプトのインテリアは、美しい高級素材と細部への確固としたこだわりをもって仕上げています。インテリアから、こだわりのディテールをいろいろと発見し、驚きや喜びを感じていただけるでしょう。開放的なパノラミック・グラスルーフから、スポーティかつ美しい仕上がりのシートまで、あらゆる特徴が英国のクラフトマンシップが反映されています。
また、デジタル・クラフトマンシップにおいても同様で、2つのタッチスクリーンを備えた室内では、いつ、どこにいても必要な情報を得られます。ドライバーが注意散漫になるのを最小限に抑えながら、ドライビング・エクスペリエンスをよりよいものにしていくのです。」
今回の発表イベントで披露したこの独創的なショーを演出したのは、著名なVRディレクターのアレクサンダー・ホートン氏です。ゲストたちが自分の周りで車両が組み立てられていく過程や、「I-PACE」コンセプトが自分に向かって走ってくるシーンや別の惑星から地球に向かってやってくる様子が体験できる内容となっており、これらはすべて、革新的なジャガーが進むべき未来を的確に示しています。
今回使用した新しくエキサイティングなVRのプラットフォームは、単一の仮想現実世界の中で交流できたり、ライブでプレゼンテーションができるなど、場所および空間の垣根を越え既存のものからかなり進化しています。
ロサンゼルスとロンドンの両会場に集まったゲストたちは、イアン・カラムとイアン・ホーバンが、先鋭のリアルタイム3Dグラフィックスを使って、この先進的な「I-PACE」コンセプトのデザイン過程や技術について説明するのをVRで見ながら、互いにコミュニケーションを図りました。
発表会で使用したVRのコンテンツは、Vive Portから提供されている専用のジャガー・アプリを使えば、自宅でも「I-PACE」コンセプトを体感することが可能です。
ジャガーは、VR業界大手のHTC社、コンピュータ業界大手のDell社、クリエイティブ企業のReWind社およびImagination社とともに、世界最大のグローバルかつコネクティビティのあるVR体験の創造、提供に取り組んでいます。
HTC社のバーチャル・リアリティ B2Bおよび事業開発部門バイスプレジデントのエルベ・フォンティーヌ氏は次のようにコメントしています。「ジャガー・ランドローバーは、先進的な企業としてよく知られています。この度、Viveビジネス・エディションを通じ、VRの技術パートナーとして、『I-PACE』コンセプトの発表に携わることができ、大変光栄に思っております。シネマティクスとViveのルームスケールVR技術の融合により、驚くべき現実感をもたらし、私たちが知っている従来の新車発表会の常識を塗り替えるエキサイティングな事例となりました。」
Dell Precisionタワー型ワークステーションにより、「I-PACE」コンセプトのデザインと開発、およびVR発表イベントが実現しました。このソリューションは、VRコンテンツの開発、および商業利用を目的とした高度な視覚化に向けて、パフォーマンス、グラフィック、そしてメモリが特に強化されており、自動車業界のような新しいビジネス分野で適用できるよう、設計されています。
Dell Precision担当パイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるラウル・ティクー氏は次のようにコメントしています。「Dellは長年VR技術の開発に携わってきました。当社は常にビジネス・モデルを進化させ、VR対応XPSやAlienwareといったデバイスから、プロフェッショナル向けVR対応Dell Precisionソリューションなど、未来に向けて最適化されたVRソリューションを提供しています。VR技術を活用して披露された『I-PACE』コンセプトは、VR技術がもたらす驚くべきイノベーションを明示しただけでなく、業界の変革をも促進するポテンシャルをもった存在となるでしょう。」
Imagination社の自動車部門長であるロス・ウィーラー氏は次のように述べています。「グローバルで展開する自動車メーカーが完全没入型VR技術を活用して新しいコンセプトカーの発表を行うのは歴史上初めてのことです。ゲストの皆様は、リアルタイムで世界とつながり、ジャガー初の電気自動車の中に実際に入り込むような感覚を得ながら、共有するという、これまでにない体験をされたでしょう。」
「このような最新技術を取り入れることで、ジャガーはお客様に豊かで満足度の高い体験を提供しました。今回のイベントは、自動車メーカーによる新型モデルの発表イベントの新たなベンチマークになったと自負しています。」