2014.12.18
ジャガー・ランドローバー、トランスパレント・ピラーと「フォローミー・ゴーストカー・ナビゲーション」研究プロジェクトを公開
ジャガー・ランドローバーは、ルーフを支えるピラーに視界を遮られることなく、ドライバーに車の周囲360度の視界を提供する技術の開発研究プロジェクトを公開しました。
車外に取り付けたカメラで撮影したライブ映像を、各ピラーの車内側の表面に埋め込んだスクリーンに映し出すことで、死角となるAピラー、Bピラー、Cピラー部分を可視化します。
これにより車の周囲全方向にいる歩行者、自転車、車両が見えるようになります。また、トランスパレント・ピラーと先進的な高品質ヘッドアップ・ディスプレイを組み合わせることにより、フロントガラスに道路を通過する人の動きを明るくハイライトして映し出し、ドライバーの注意を喚起します。
また、ドライバーが方向指示器を点滅させた際や、追い越し時に後方を確認するため頭を動かした際、あるいは、車が交差点に差し掛かった際、このシステムは左側もしくは右側のピラーを自動的に透明化します。
ジャガー・ランドローバーのリサーチ&テクノロジー担当ディレクター、ウルフガング・エップル博士は次のように述べています。「当社が掲げる究極の目標は、事故が発生する可能性を低減させ、市街地でのドライビングをより快適にすることです。ジャガー・ランドローバーの研究チームは、ドライバーの視認性を向上させ、最適なタイミングで適切な情報を提供することを目指し、この技術を開発中です。ドライバーの視線を前方から逸らすことなく情報を提供することができれば、最も注意が必要とされる混雑したドライビング環境でもドライバーがより良い判断をするためのサポートができます。」
この「360度バーチャル・アーバン・ウインドスクリーン」の能力を十分に発揮させるためには、バーチャル・フロントガラスをクラウドに接続することが必要となります。車が道路インフラや都市部のビジネス街の情報と接続されることで、バーチャル・アーバン・ウインドスクリーンは、ガソリン価格から、空いている駐車スペースの数に関する情報などを提示できるようになり、ドライバーが自ら情報を探す必要がなくなります。クラウドに接続した車は、ナビゲーション機能も強化されます。例えば、ナビゲーションが左折や右折を指示 する際、道路標識や道の名前だけではなく、目印となる周辺の店などの情報も視覚的にわかりやすく表示します。
特定の場所に向かう場合、最も直感的で効率的な方法は、最適なルートを知っている人の後をついて行くことです。ジャガー・ランドローバーの研究チームは、目的地まで先導してくれる車のバーチャル・イメージを、ドライバーの前方に投影する「フォローミー・ゴーストカー・ナビゲーション」を開発中です。
エップル博士は次のように語っています。「市街地のドライビングは、ストレスが多くかかるものです。道路標識に気をとられながら街中を走行したり、運転しながら駐車スペースを探すことを想像してみてください。当社はこうした情報をすべて、ドライバーの視線の延長線上に位置するヘッドアップ・ディスプレイに投影したいと考えています。この技術が実用化されれば、ドライバーは自ら情報を探す必要も、前方の道路から視線を逸らす必要もなくなります。」